Another skyを探す旅

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ここからの「フィリピン株」は、有力な投資対象になり得るか?町田健登氏「フィリピンの株を推すこれだけの理由」から考える。

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東南アジアなど新興国株式投資には妙味があるのか?

もっと突っ込んでいえば、コロナショック後に価格が吹きあがったビットコインのような、ハイリターンを得られる投資対象となり得るのか?

 

今日は、今後の新興国株の将来性について、東南アジアのフィリピンを中心に考えてみます。

 

町田健登さんの新刊、「社畜会社員から資産1億円つくった僕がフィリピンの株を推すこれだけの理由」を参考に考えます。

 

 

町田さんは、YouTubeなどでも発信していて、事業としてフィリピン株など資産運用に関する相談業務を行っている方です。

 

その町田さん自身がリアルに、サラリーマンから、フィリピン株を中心に1億円の資産を築いたという経歴をお持ちです。

 

この本は、新興国、東南アジアのなかでもフィリピンを文字通り「推す」内容になっているのですが、

そこにはフィリピンという国自体が置かれた独特な事情があります。

 

 

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まず、フィリピンというのは、非常に「若い国」であるということです。

 

約1億人を有するフィリピン国民の平均人口が、23歳とものすごく若い。ちなみに日本は46歳。本当に、ちょうど倍ですね。

 

こう見ると、日本がいかに年寄り国家かということが分かります苦笑。

若い人が多いというのは、「生産年齢人口」が多いということとほぼ同義ですから、これからの経済成長の可能性という点では、日本とはある種対極にある国です。

 

そして、人口ボーナス期、つまり若い人が総人口の半数を超える期間が2050年まで続く。これは、世界的にみても非常に長い。

ここが、東南アジア圏でも、タイやシンガポールなどとは決定的に違う点ですね。今、勢いがあるベトナムでも2035年までです。

 

それと、1人当たりGBPが約3,000ドル。実は、この数字には意味があると言われていて、3,000ドルを境にして、モータリゼーションが広く普及し始めたり、国民生活がトラディショナルからモダンスタイルに変わるとも言われているのです。

 

つまり、一言でいうと、成長の余白がまだまだたっぷりあるということですね。

 

そして、新興国投資で意外と気になるのが、為替なのですが、

特に昨今のような米国の長期金利が激変している状況下にあって、新興国は自国通貨安の不安に迫られています。

 

今後、スリランカのようにデフォルトする国も出てくるかも知れません。

 

しかしですが、意外とフィリピンペソというのは、「強い」通貨なのです。

 

日本円も最近は弱いのですが、しかしとはいえ、昔から対フィリピンペソでは長年円安基調が続いてきたのです。

 

なんで、こんなにフィリピンペソって強いんだろう、というのは、両替した経験者なら感じたことではないでしょうか?

 

本書によれば、その理由のひとつが、フィリピン人が外貨を稼げるから。

フィリピン人は、本当に英語が達者な人たちなので、仕事を求めて海外に出て行ってしまうのですね。

 

で、その外貨を本国の家族に送金する。そこで、フィリピンペソへの転換が発生するわけです。

 

出稼ぎ、というと聞こえが悪いかも知れませんが、職種は多岐にわたり、医師として米国に渡る者、土木作業員や家政婦として中東で働く者など、様々です。

 

これは、英語の下手な日本人にはなかなか真似できない芸当です。

 

なので、通貨が意外と安定している。

 

国としての成長性、特異な産業構造など、投資対象として独特でもあり、成長性も感じられるというのがフィリピンという国なのですね。

 

 

 

 

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自分もかつて、フィリピン株に投資しようと試みたことがあります。

 

日本の証券会社を通じてフィリピン株を購入しようとすると、選択肢はものすごく限定されます。

おそらくですが、自分の知る限り、一択ですね。

 

それは、アイザワ(藍沢)証券を使うことです。

 

実際、自分もアイザワ証券に口座開設したのですよ、昔ね。

 

しかし、完全に手が止まってしまった。

 

なぜか?手数料が高すぎるのですよ。

 

アイザワは、日本で唯一といってもいいくらい、フィリピンの個別株を購入する手段を提供してくれる貴重な証券会社だと思います。

 

しかし、今なお一般的とは言い難い投資対象故か、とにかく割が合わない苦笑

 

なので、個別株は難しく、できてもEPHEのような米国株ETFを使って指数を買うのがせいぜいだったのです。

 

では、どうすればフィリピン株に投資できるのか?

 

町田さんは、フィリピンの証券会社を利用して、フィリピン個別株の購入方法を示しています。

 

しかし、ここまで読んで、「フィリピンの証券会社?あやしくない?」と思った人もいるでしょうね。

 

なにしろ、まわりでフィリピン株に投資している人なんてまずいないですからね、探しても。

 

しかし個人的には思うのですよ。そんなのは、5年前の仮想通貨も同じだった。

 

今、足もとでは暴落などと言われている仮想通貨ですが、

なにしろ、5年前といえばビットコインが10万円、イーサリアムが1万円しなかった時代です。

 

しかも、自分的に昨年は大変な?年だった。

ビットコインを利益確定したが故に、多額の税金を納めることになったのです。

 

国税口座振替だったのですが、地方税は現金で納付しました。

郵便局に現金を持ち込んだのですが窓口のお姉さんから、こんな納付額は見たことないと言われてしまいました苦笑

 

それくらい日本では、税率の面では仮想通貨は分が悪い。

 

まあ、海外移住するなら話は変わるのですが、まだ日本に留まるのであれば、税率は無視できません。

 

フィリピン株の運用益に対しての課税は、米国株などと同様の約20%ですから、その点は仮想通貨の負担とは比較になりません。

 

 

 

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町田さんは本書で述べています。大切なのは、「どこから買うか?」

同じ日本人だからといって、安心できるものではない。

 

これは確かにその通りだと思いますね。

 

そして、これは不動産投資などいつも思うことなのですが、個人的にいくつか疑問点があります。

 

それは、

・日本での納税手続きの詳細

・現地の証券会社に置かれた口座から日本への送金、円転

 

このあたりでしょうかね。いつか機会があれば、町田さんに聞いてみたい。

 

 

投資格言に、

人の行く 裏に道あり 花の山

 

というのがありますが、

投資における先見性などというものは、

なぜ、みんな気付いていないんだろう?

という素朴な疑問から生まれるものだったりするのですね。