よく、中高年以降の年代を指して「人生の下り坂」などと(失礼なことを)言ったりします。
頂上を過ぎた、この先は退廃していくのみ。
「下り」というワードには、とかくネガティブな印象がつきまといます。
しかし個人的には、一概にそうでもない、とも感じます。
そもそも、現在進行形で世界経済がリセッションつまり、下りの最中でもあります。
今日は、「下り」の受け止め方と身の処し方について考えます。
最近は、見た感じも若い人が多いので、感覚値が以前とは変わってきているのかもしれませんが、
人生もある程度の年代を過ぎると気力、体力の衰えを感じてくるものでしょう。
ある程度、とは人によって感じ方が大いに異なる点には注意です。
このブログでは、よく登山に例えた記事を書きますが、言うまでもなく登山には必ず帰途につく下山があるわけで、
なかには、スキーやスノーボードのように、下りそのものを楽しむスポーツもあります。
世界経済以前に、なにより我々の日本自体がいま、地盤沈下している。
経済力の相対的地位も、世界における政治的なプレゼンスもですね。
昨今の円安で、日本人全体が貧乏になったとまで言われる。
しかしですが登山では、上りの途中には気付かなかった山並みの美しさに、下り中に気付くことも多いのですね。
これまではひたすら登っていると思っていた。その陰で、実は大切なものに気付かない振りをしてきた。やり過ごしてきた。
その、大切なものが何だったかを、考え直す機会を与えられているのではないですかね、我々は。
これからさらに、世界は不安定な方向に突き進むかもしれない。
不透明な時代にあって、何か気づけたものがあるとすればそれは、我々の一生においてすごく幸運なことかもしれません。
今というのは、これまでに考えもしなかった、新しい価値観を手に入れる好機なのかもしれませんね。