このブログでは毎週月曜日の恒例にしています、1週間の投資を振り返ってみます。
先週は、世界の市場参加者が日本に注目していました。
17、18日に開催された日本銀行の金融政策決定会合のことです。
結論からいくと、金融政策を「現状維持」するとしたわけですが、ここに投資家の悲喜があったのですね。
会合前には、日銀が緩和リスクつまり利上げリスクを点検するという読売新聞のリーク報道が出たこともあって、世界の市場関係者は大きく振り回されたのです。
黒田日銀の発表に、まさかと驚いた投資家もいれば、当然だろうと受け止めた投資家もいる。非常に混沌とした状況です。
為替や株で大きく値を吹き飛ばした投資家もいたことでしょう。
個人的には、今のこんな相場にはちょっと近づけません。
何をしないというのも、投資のうち。
大やけどを回避するだけでも、今は十分です。
とはいえ、
ニュースになっていますが、日本の2022年12月消費者物価指数がプラスの4%。
食品価格や電気、ガスなどのエネルギー価格が上昇しているのは、我々の日々の生活でも感じるところですね。
ただ日本円を持っているだけでは、価値が減価する一方です。
本当に困ったものです。
今日は、2022.1.12の日本経済新聞にカーメン・ラインハート氏の記事が載っていましたので紹介します。
(日本経済新聞 2022.1.12 「2023年 米金融政策を問う」)
ラインハート氏は、ハーバード大学ケネディスクールの教授で専門は国際金融とマクロ経済学。かつては世界銀行の上級副総裁も務めた人物です。
印象に残った点を列記
Q. 世界同時不況が来る可能性は?
A. 非常に高い。過去の金融引き締め期で経済のソフトランディングが実現できたケースはほとんどない。
Q. 米国では、家計や企業が健全なので景気後退は深刻にならないのでは?
A. リスクを過小評価するのはあまりいい考えではない。
ソフトランディングは可能という考えは「今は大丈夫」症候群に陥っている。
家計や企業のバランスシートは、1981~82年(高インフレ時に景気後退となった時期)よりはるかに悪い。
そして、最後にはこう記されています。
中銀は独立性を失い効果的にインフレと闘う能力を失っているのではないか。これは本当に心配なこと。
ロシアの戦争や中国の内向きの政策など地政学的な緊張も続く。高インフレで政策対応が難しいというリスクもある。あらゆる種類のリスクが顕在化している。
この記事を読んで感じたのは、これは米国もそうかも知れないが、むしろ日本の姿そのものではないのか?
インフレと闘う能力を失っている。
この言葉が、
この先の日銀と我々日本人の行く末を暗示する言葉に聞こえましたね。