安いニッポンから海外出稼ぎへ
低賃金の日本で働くことを捨て、海外へ出稼ぎに向かう若者を追った番組でした。
例えば、藤田さんという日本で平均月収25万円の介護職員。
オーストラリアの介護施設でもらう月給は80万円。単純に年収換算すると、960万円になります。
若い世代が日本に見切りをつけて海外に出ていく様子を、番組では「(若者による)静かなストライキ」と表現していました。
2月1日のクローズアップ現代は、SNS含め大きな反響を呼ぶことになりました。
しかし、
このような事例は、若い世代が自主的に出ていくか、そうでないかに関わらず以前から分かりきっていたことだったのです。
その例が、アニメ業界です。
低賃金放置、人材は中国へ
これは、2021.6.25の日本経済新聞の記事です。
アニメ業界はもっとはっきりしていて、若いアニメーターは今でも月給3万円で雇われている例もあるようです。もはや、生活するのも困難なはずです。
そのようなアニメ業界を支えてきたのが、「若者のやりがい」アニメへのあこがれです。
若者が抱く、将来の夢や希望に乗っかって低賃金の人海戦術をやってきたのが、日本のアニメ業界の、影の側面だったのです。
ただ、このような事例はアニメだけに留まらないのが実情なのです。
そもそも、一生涯の(一生涯の雇用など本来あり得ない)終身雇用を前提に、日本の会社は成り立って来ました。
今後、オンラインでの仕事など選択肢の多様化も相まって、
良くも悪くも、経済原理の流れを止めることはできないことが、より明確になってくるのでしょう。