三菱重工が成果型評価の人事制度導入を行うと、昨日のニュースで流れていました
景気の先行きが不透明なことが、拍車を掛けているのだと思います
日本の大手企業が、相次いで「働き方」に関する仕組みを変えようとしています
当然のことですが、背景には旧来からの「日本型雇用」が、限界に来ているということがあるのでしょう
これから、働き方が、まずは大手企業を皮切りに、加速度的に変化していくのではないかと感じます
日本最大手の自動車メーカーである、トヨタ自動車が社員の定期昇給を見直すことになりました
つまり、年齢で自動的に給料が上がっていく部分(定昇)を廃止し、完全に人事評価のみを給料に反映させていくというものです
これまで、トヨタだけではなく日本の多くの企業では、定昇について、成果によって決まる部分だけではなく、職位や年齢などで「一律的」に決まっていく部分というのがありました
社員に配偶者や子どもといった、扶養家族が何人いるかで加算給がある企業もあります
しかし、よく考えると、社員の働きと家族構成は、本来直接的には結びつかないですね
日本では、以前より「成果主義」などといわれながら、実態は年功的ともいえる給与体系が少なからず残っています
それが今、限界に来つつあるということでしょう
日本企業は、世界での競争力を維持できなくなっている。それが、顕著に見え始めています
自動車産業は今、100年に一度の転換期ともいわれ、テスラをはじめとするEV、電気自動車が台頭するなか、メーカー各社は次世代の方向性を見極めようとしています
なので、トヨタなどは過度にEVに傾注することなく、全方位的な戦略を取っているといわれます
そのような状況にあって、さらに自動運転技術など進むことで、これまで自動車産業に本格参入していなかったIT企業など、新たなライバルとの競合も迫られます
これまでの「日本的慣習」を先送りしてきた賃金制度では、もはや立ち行かないということでしょう
一方、銀行でも働き方に変化が起こっています
みずほフィナンシャルグループが、希望者を対象に週休3~4日で働ける制度を、早ければ12月から導入します
かつて、都市銀行とよばれる大規模行は、日本中に10行以上あったのですが、バブル崩壊後2009年の北海道拓殖銀行が破綻したことを切欠に、再編を繰り返してきました
みずほ銀行も、富士、第一勧業、日本興業銀行の3行が合併してできた銀行です
日本の大規模行は、多かれ少なかれ合併の歴史を持っているのですね
しかし、かつての銀行とくにメガバンクで働く人の共通点は、昼夜いとわず働くということではなかったかと思います
言ってしまえば、家庭を顧みずに働く
会社への忠誠心が求められるのですね
もう、みずほの合併を経験した社員も、ずいぶん少なくなっているはずです
そういう人は、もう40代以上でしょう
しかし、そんな彼らにも「たそがれ時」はやってきます
自分の身の振り方を、自分で考えなければならないのです
つまり、50に近づいてメガバンク本体にいられる社員は、限られてくる
自分で「出向先」をさがすか、あるいは退職して会社を飛び出すか?
それが嫌なら、若いうちから「減点なく」、出世レースに全力投球しないといけません
メガバンクは、どこもそんな感じでしょう
銀行に限らずですが、サラリーマンにとって、とにかく長時間働き続けるということが、会社へのロイヤリティ、コミットメントの表現方法だった
それが、虚構というとひどいですが、あまりに生産性を低下させたということではないでしょうか
みずほの週休3、4日制は、おそらく社内でも働く人の考え方によって、受け取り方がかなり異なっているのではないかと感じます
トヨタ自動車も同じかと思いますが、企業が考えるのは、いかに競争力を高めて生き残るか
そのために、今まで改革が必要と言われながらも先送りして、ある意味国際競争から、ひた隠しに守り通してきた日本旧来の「働き方」を、いよいよ変えざるを得なくなってきた
それが、今なのだと思います