Another skyを探す旅

激変する世界を生きるヒント。それは自分の足元にある

「居心地のよさ」から逃げる。それが、生きるために不可避だったと知る

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何かをやって、とても上手くいったら、次の新しいことをやり始めよう

成長に長い間浸り過ぎてはいけない

次にすべきことを見つけていこう

 

スティーブ・ジョブズ 

 

 

真摯に取り組んできた何かに、結果が出始めた

生きてきて、幸せな瞬間です

 

頑張ってきたことが報われた

素直に、自分をほめるべきです

 

自分に自信が湧いてくるのを、ありのままに受け止めることです

 

しかし、

その居心地の良さにいつまでも安住し続けてはいけない

 

ジョブズは言います

 

それは何故なのか?

 

いくつかの事象から考えてみます

 

 

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コダックと聞いて、すぐにイメージが湧く人はきっと写真が好きな人でしょうね

かつて、フィルムカメラが全盛だった頃、コダック社のカラーフィルムが世界で圧倒的なシェアを誇っていたのです

 

コダックが本社を置いたニューヨーク州ロチェスターでは、コダックだけで、実に6万人の従業員を雇用していました

 

それが1990年代に入ると業容は暗転。2012年には、日本でいう民事再生法が適用され、事実上の破綻に追い込まれます

 

コダック社を何が襲ったのか?

 

それは、デジタル化の波です

 

デジカメが、写真のマーケットを席巻するのと同じくして、コダックの経営はダウンサイドしていきます

 

同社の主力だったカラーフィルムを使うユーザーが激減したのです

大規模な人員削減など、血をともなうリストラを断行したコダックでしたが、ついに業況を回復させることはできず、現在は印刷業として4千人規模の企業になっています

 

しかし、このデジタル化とコダック社の間には、実はもうひとつのストーリーがあったのです

 

デジタル化に屈したとされるコダックですが、世界で最初のデジタルカメラを開発したのも、なんとコダックだったことは、今ではあまり語られることがありません

 

世界初のデジカメを開発しておきながら、自社のメインビジネスであるフィルム販売に固執するあまり、経営陣がデジカメ技術を封印してしまった

 

結果は、先に述べたとおりです

 

過去の成功に囚われるがゆえに、せっかくの成長の芽を自ら摘んでしまった

 

 

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アサヒビールと言えば、誰もが知る代表銘柄の「スーパードライ」ですが、

これがあまりに強烈なブランドであるために、営業戦略上の「次の一手」がなかなか見出せない。

 

これを、ビール業界ではドライ病と呼んでいるのです

 

経営資源をひたすら、スーパードライのブランド力向上に注いだアサヒですが、第3のビールやチューハイなどの台頭、そもそも若い世代がアルコール離れを起こしたことなどからビール市場は年々縮小していったのです

 

そこにダメ押しとなったのが、コロナ感染でした

 

社内でもスーパードライへの偏向に懸念の声があったそうですが、それでも経営陣は過去の成功から離れることはできなかった

 

日本企業にありがち、といえばそうなのでしょう。しかし、成功モデルの継続を妄信することが実は危ういことを、この事例が教えてくれます

 

 

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ご紹介した企業の事例だけではなく、

我々の周りにも、

過去の「当たり前」を疑うことなく、思考停止のまま常識が形作られている

 

そんな事例はないでしょうか?

 

例えば、はっきり感じるのは、

今、我々が見ている日本の姿は、過去の日本のそれとは異なるということ

 

日々を暮らす中で、もう過ぎ去った「当たり前」に身を浸して生きてはいないか?

 

だとすれば、我々は何を考え、何をすべきか?

 

ジョブズの言葉が、我々の喉元に、剣先のように突きつけられている気がするのです