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ビットコインから透けてみえる、世界経済のパワーバランス : コロナ・ショックのインパクト

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3月19日に、日経平均株価が1万6552円を付けたのは記憶に新しいところでしょう

 

日本のみならず世界的な暴落相場は、のちに「コロナ・ショック」として名を刻まれることになるでしょう

 

ただし、それが一過性のものだったのか。ただの序章にすぎないのかは別として

 

暴落は株式にとどまらず、あらゆる金融商品におよびました

 

リスクオフ資産として上昇を続けてきた金(ゴールド)までもが巻き込まれた

 

USドルをはじめとするキャッシュの需要が高まり、「キャッシュ・イズ・キング」の声も耳にしました

 

そんななか、個人的に、リスクオフ資産として認知度を高めつつあると思っていたビットコイン(BTC)についても、ご多聞にもれず大暴落しました

 

BTCだけでなく、ほぼすべての仮想通貨が値を下げました。

BTCに関しては、bitFlyer Lightningでサーキットブレーカーが発動される事態にいたりました

 

2017年に起こった、最高値220万円から安値35万円の、今から考えても吐き気がしそうな下落相場を体感した者としては、メンタル的に大きく響くこともなかったのですが、それは単に、自分の感覚が麻痺しているからなのかも知れません笑

 

 

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今日は、BTCの相場推移を通して、コロナ・ショックの影響と世界経済の潮流について、考えてみます

 

 

盛り上がらないビットコイン相場

 

BTCの価格推移について、僕は年末に2つのシナリオを用意していました

 

半減期と呼ばれる、4年に1度のビッグイベントを控えて、価格が上昇する「Plan A」と、価格が横ばい推移する「Plan B」です

 

 

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コロナ・ショック以前の、3月上旬までの相場を見ている限りにおいては、半減期を見据えた「Plan A」の傾向が強かったものの、ショック以降は相場付きが一変しました

 

2017年安値を割るほどの水準にはいたっていないものの、現在は日本円で80万円前後と、5月の半減期を見据える相場としては低調と言わざるを得ません

 

3月半ばには約800億ドルあった売買代金も、最近は300億ドル台にとどまっています

 

僕個人として、暴落前までは、

BTCはリスクオフ資産としての認知度を高めつつある、と考えていました

 

いつか訪れるであろう、世界的暴落の際には、BTCが一層注目を浴びるとまで思っていました

 

それは、おそらく、11月の米大統領選挙後ではないかと

 

それまでに、BTCは半減期に伴う価格上昇を経て、さらに認知度を高めていく

 

それが、「Plan A」の見通しでした

 

ところが、コロナウイルスが、「ブラック・スワン」となって世界的な暴落を引き起こすことになります

 

コロナ・ショックの厄介なところは、

 

単に金融相場のリセッションにとどまらないということ

 

生命の危機を及ぼすウイルスは、世界中の人の動きを寸断してしまった

 

実体経済が、一時的に心肺停止の状態になってしまった

 

これは、想像を絶するほどに重大なことです

 

人類史上に残るであろう、重要な局面が、おそらく今です

 

コロナ禍は、社会の在り方や、人がどのように生きるかを大きく変えることになるはずです

 

そんななかにあって、まだ市場規模も極小なビットコインは、リスクオフ資産として信用するにいたらないということです

 

それが、急回復する金価格とBTC価格の差異です

 

それよりも何よりも、とにかく今はキャッシュ。多くの企業や個人が、そう考えています

 

 

混迷する途上国経済

 

現在、我々日本人のもとに届くニュースは、米国や欧州の感染拡大のニュースです

 

たしかに今、米や欧州はパンデミックの最中にあります

 

しかし、今後ですが、それがアフリカや中南米に拡大しないという保証は、いっさいありません

 

発展地上国が多い、それらの地域で感染が拡大すれば、より悲惨な事態にいたるのは明白です

 

医療体制が整っているとされる先進諸国でも、この有様です

 

発展途上国においては、何をかいわんやです

 

発展途上国の経済も、壊滅的な打撃を受ける可能性が高い

 

外国資本も、おそらく流出が避けられない

 

発展途上国の経済は、工業製品の原料となる資源や、原油などに拠るところが大きいですが、原油価格のマイナスに見られるように、世界的な需要落ち込みにともなって、貿易収支が悪化する可能性が高いです

 

また、新興国通貨の価格下落が顕著です

 

南アフリカ・ランドは対日本円で、20%以上も値を下げています。

ブラジル・レアルも同様です。

 

そのほか、ロシア・ルーブルやトルコ・リラなど、10%以上下落している通貨も多い

 

対外債務のデフォルトが、今後避けられないと見ています

 

IMFに融資を申請している国は、すでに80を超えているといわれています

 

 

そんな状況下、僕は今、2013年に発生したキプロスや、2016年のベネズエラの経済危機に端を発するビットコインへの資金逃避を回顧せざるを得ません

 

 

 

 

国家と通貨の信認が問われる

 

 

事態が深刻化すると、おそらくは各国の通貨への信認が問われることになるはずです

 

キャッシュ・イズ・キングが、はたしてリスクオフなのか?

 

そんなことも、考えなくてはならなくなる、

 

そんな危惧を持っています

 

途上国のみならず、日本はじめ先進国でも、積極財政で大量のマネーを市場に供給している

 

日本では、中央銀行である日本銀行が、日本株を買い支えています

 

価格が下落し、一歩間違えば、日銀が債務超過におちいる

 

そんな悪夢も、もはやリアルさを増しています

 

 

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そのような事態にいたったとき、世界のマネーはどこに逃避するのか?

 

USドルか?それとも、ゴールドか?

インフレヘッジとしての、株や不動産なのか?

 

それとも、無国籍で非中央政権的で、ポータビリティも優位なビットコインにも逃避してくるのか?

 

遠からぬ将来に、世界経済の大きな対流を見ることになるかもしれない

 

それが、僕が考えている「Plan A」の、本線です