希死念慮、という言葉を知っていますか?
自殺願望のことです
精神科医である樺沢紫苑先生を、人気YouTuberとして知る人も多いです
「自殺したい!」と思ったときにまずやるべきこと【精神科医・樺沢紫苑】
YouTube上に、
「死にたい」と相談してもいいですか?
というタイトルの動画が上がっていました
(引用している動画とは異なります)
樺沢先生は、自殺に関する動画を複数アップしています
見るかどうか、正直ちょっと躊躇しました。なぜだか分かりませんが
三浦春馬さん、竹内結子さんの件も、多くの人に衝撃を与えました
警察庁のサイトによると、令和2年の合計で、日本での自殺者が21,081人いた
うち男性は14,055人。女性は7,026人
WHOの調査によると、人口10万人あたりの自殺率では、男女合計で18.5人と世界で14番目です
男性は26.0人で17位。女性は11.4人で8位
世界的に見ると、日本は女性の自殺が多い。とはいえ、男性のほうが自殺者が多いのですね
調べてみるまで、そんなこと思いもしなかった
樺沢先生によると、死にたいという感情を持つ人は、実は少なくない
自殺未遂で病院に搬送される人が、自殺者の大体10倍いるということであれば、昨年一年で自殺未遂をした人の数は約21万人いることになります
動画のなかでの、先生の仮説を類推させていただくと、自殺願望がありながらも行動できないひとが、その10倍。つまり、210万人
ただ、それは僕が今年の自殺者から単純計算しただけなので、実際はもっと多いのかもしれません
自殺者数だけでは、人口との比較が分かりにくいので、先ほどの10万人あたり自殺者数で見てみると、
日本でもっとも自殺率が高かったのが、2003年の27人。その前後10年が、約25人以上で推移していて、他の年代と比較しても、突出して多いのですね
2003年というのは、どんな年だったのか?
年表をみて、気になったのが、日経平均株価が4月に7,607円と、バブル以降の大底を付けた年なのですね
今なお、世界との比較で地盤沈下を続ける日本経済の、ある意味象徴的な年だったのです
以前みずほフィナンシャルグループの勤務体制について書きましたが、この年にりそな銀行が発足し、公的資金約2兆円が注入されました
公的資金の注入などというのは、つまり銀行が不良債権の処理に苦慮していたことに他なりません
結局、民間企業では受注の伸び悩みとか、資金繰り倒産とか、そんな受難のときだったはずです
前年に起こった三菱ふそうバスの欠陥隠しにからむ捜査など、企業のガバナンスが厳しく追及された年でもありました
経済的にも、社会的にも厳しい頃だったのですね
ロスジェネ世代以降の就職氷河期も、この頃ですね
そのような時代に、日本の自殺率も高かった
今というのは、どんなときなのか?
もともと消費税が景気に大ブレーキを掛けたといわれていた矢先の、コロナの世界的な感染拡大です
これから日本の実体経済が、急に好転するというのは予想しにくいでしょう
むしろ、コロナの第4波拡大が懸念されるなか、見通しが利いていないというのが本当のところではないでしょうか?
ふたたびの2003年とならないことを祈りたい気持ちです
樺沢先生によると、「死にたい」という感情は、多くの人が持つ感覚らしい
つまり、なにも特殊な感情ではない
ただし、
それを放置すると、誰もが自殺にいたる可能性が出てくる
なので、先生は誰かに相談することを勧めています
そもそも、
「死にたい」というのは、行動の帰結。着地点であるので、
そこにいたる理由、原因というのがある
もちろん、衝動ということもあるにせよ
そこを、自分で分解できなければ、第三者に協力してもらって解きほぐす
そういうことが大切なのでしょうね
繰り返しになりますが、
「死にたい」というのは、特別な人の、特殊な感情ではない
実は、我々の日常、身近にあり得る感情ということ
そして、ひどくなると、誰にでも本当に死にいたる危険性が内在している
それを知っておくべきですね
先生は、こうも言っています
自殺者の多くは、誰にも相談しなかった
自分と言うのは、今日だけの自分ではない
明日への自分にバトンを繋ぎたいですからね