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リストラ、早期退職、就職難。「働く意味」の変化についていけるか?

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売り手市場と言われ、昨年以上に早期化するだろうと考えられていた新卒の就職活動が、厳しい状況に置かれています

 

そもそも、中小企業は言うまでもなく、多くの大企業でも早期退職や人員削減、一時的な出向を強行しています

 

 

大きな要因は、言うまでもなくコロナウイルスによる経済活動の低迷です

 

 

なんといっても、ウイルス感染のリスクによって、経済活動の全回復が見込めない

 

 

そのような状況で、企業としても人員を維持するのは、躊躇されるでしょう

 

 

NHKの就活応援サイト「就活応援ニュースゼミ」によると、企業も学生も、採用活動を早める傾向だったので、4月の調査段階まででは、進路確定率18.4%と、前年比較で6.7ポイント上方推移していたらしい

 

それが5月以降、下方に逆転してしまった

 

 11月に入っても、いまだ多くの学生が就職活動の最中だといわれます

 

 

コロナウイルス下の経済状況を考えると、あえて言うまでもなく企業の財務内容は厳しい状況にあります

 

 

「資本性ローン」の文字が新聞紙上でもよく見られますが、大企業であっても資金繰りの問題が切実なのです

 

 

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売り上げが立たない状況なのに、社員の給与や経費といった固定費が継続的に発生します

 

そんななか、いくら人手不足だからといって、若ければ誰でも採用、とはなりにくい

 

 

これまでの社員の雇用をなんとか守るだけで精一杯だったが、それすら難しくなってきた

そのような会社が日本には多いはずです

 

 

これからの学生が、かつての就職氷河期世代と同様の思いを味わうのは、ほぼ確実です

 

 

今日は、「働く」意味が変わりつつあることについて考えます

 

 

 

就職氷河期」とは何だったか?

 

 

今から20年も前の話になるでしょうが、かつて「就職氷河期」と呼ばれる、就職難の時代がありました

 

 

日本経済が空前のバブルに湧いた、その宴の後の話です

 

 

ちょうど第2次ベビーブームと呼ばれる、団塊ジュニアから、それ以降の年代が受難の世代といわれます

 

 

現在でも、この年代を指して「就職氷河期世代」や「ロスジェネ世代」などと呼ばれることも多いです

 

 

大手から中小にいたるまで採用枠を縮小し、企業から内定を獲得するのは至難の業だったはずです

 

 

特に、女子学生の内定確保が難しく、こうなるともはや、内定をもらうことが目的化してしまいます

 

 

たとえ、志望とはかけ離れた会社であったとしても

 

 

いま企業で働いている就職氷河期世代は、少なからずそのような思いを心の奥にしまっている人が多い

 

 

それでも、人口ピラミッドならぬ、企業内の年代別社員構成をみると、当然のことながら氷河期世代は社内全体からみても少ないわけです

 

 

これは何を意味するか

 

 

つまり、終身雇用制度、年功序列制度といった従来の人事制度が維持されている限りは、同年代のライバルも少ないので、出世もできるはず

などと考え、自分をごまかしながら、なんとかこれまで頑張って働いてきた人も実は多いのです

 

 

ところが、弊ブログでも再三指摘していますが、終身雇用や年功序列といった日本型人事制度を維持することが、もはや決定的に困難になりつつある

 

 

この年代は、就職環境の厳しさも相まって、結果的に就職というよりも、むしろ「就社」に近い感覚で働きはじめた人が多いのではないかと感じます

 

 

いつの時代でも、一人で内定通知を5社も6社も獲得する人はいます

 

 

でも、そうではない場合が、当然ながら本当に多い

 

 

今、現在をみると、この世代はまさに早期退職、「リストラ対象」に差し掛かりつあります

 

 

コロナウイルスで、企業自体がビジネスモデルの変革を余儀なくされることになります。そんななかにあって、旧態依然の働き方しか知らない人材は、企業にとってお荷物になる

 

 

そもそも論として、この年代は就職すること自体が厳しかったので、非正規雇用や引きこもりも多いといわれています

 

 

先の安倍内閣が「就職氷河期世代支援プログラム」と称して、ほんとうに遅ればせの対策を打ったかのように見えましたが、しかし実効性はほどんどありませんでした

 

 

「就社」意識では、これから難しい

 

 

終身雇用や年功序列が維持できない時代に、個人が「就社」意識で働き続けるのは難しくなると思います

 

 

そのような考えは、いつか「思い違い」を招く、というかすでに招いています

 

 

かつて、企業の経営層はゼネラリストが大半でした

 

 

企業はジョブ・ローテーションと称した職種替えを行い、社員が様々な職種を経験してきました

 

 

「メンバーシップ制」とも呼ばれ、社員の帰属意識の向上や囲い込みを図るうえでも有効と考えられてきました

 

 

しかし、今、様々な業種で専門化が進んでいます

 

 

帰属意識が高く経営層の信頼も厚いゼネラリストが、部門のマネジメントを任されることになる(特に、ロスジェネ世代から、さらに上の年代)のですが、それらの部門は高度に専門化されており、スペシャリストも在席する

 

 

そのようなゼネラリストが、スペシャリスト集団をマネジメントできず問題を起こすケースも少なくないのです

 

会社に使いまわされた素人に、スペシャリストをマネジメントするのは、なかなか難しい 

 

 

早かれ遅かれ、この傾向は進んでいくことになったはずですが、コロナウイルスがそれを加速させることになります

 

 

日本型のマネジメントのあり方が本格的に問われることになるはずです

 

 

良い上司と、ダメな上司

 

これが、さらにはっきりしてきます

 

 

経団連は労使交渉で、日本型雇用制度の見直しを課題として挙げています

 

より専門性の高い仕事。職務を明確にして、プロジェクトによりコミットできる人材を社内外から流動的に調達する考え方が、一層フォーカスされます

 

 

就職氷河期世代を捉えれば、

非正規や引きこもりの人はもちろん大変なのですが、

現在、企業に勤めている場合であっても、「こんなはずじゃなかった」という話が、これからもっと増える

 

 

今、就活をするために大切なこと

 

 

先ほども述べたとおり氷河期世代には、結果的に「就社」で職を選ばざるを得なかった人が多いです

その会社しか内定をくれなかったから、という理由

 

 

就職浪人するわけにはいかない、とにかく職を得る

 

もちろん、人は生きるために衣食住を確保していかなくてはならないので、収入を得ることは大切です

 

 

しかし、同時に

新卒という就活のタイミングでしか、ふだんなかなか考えないこともあるはず

 

 

以前だと、就活で出会う企業人や同世代から、様々なことを学び、自分の就職観を形成していくということもあったのかも知れませんが、

 

 

コロナ禍の現状、そんな余裕などなくなりました

 

 

 

 

ライフサイクルは変わる

 

 

人間のライフサイクルというものは、大きく変化する

 

 

現在の考え方が、10年後、20年後の考え方と同じなはずはないでしょう

 

 

少なくとも10年前、今ほどに「人生100年時代」などと言ってませんでした

 

 

かつては定年退職が50歳代という時代もありましたが、働く期間も徐々に長くなっています

 

 

しかし現時点で機能している、人々が働くシステムが、今後も同様に機能するかというと、そうとはいえない

 

 

 

なぜ働くのか、いかに働くのか

 

 

それを考え続けないと、これからは難しい

 

 

人生は長いので、ときとして考えは変わります

 

 

ロンドン・ビジネス・スクールのリンダ・グラットン教授は、

人生100年時代を見据えた「学び直し」が有効だと説きます

 

 

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これからの長寿社会では、生涯学び続けることが重要となる、

それをコロナが加速させた

 

 

コロナウイルス、そしてこれから一層はっきりするであろう大不況の時代に、既存のビジネスモデルが通用しなくなる

 

 

そのような時代に、柔軟性をもちつつ生きていきためには、学びを続けるしかない

 

 

ときとして仕事を離れ、学び、また仕事に戻る

 

 

そんなことも当たり前になるでしょう

 

 

そもそも、自分がどこに向かって歩こうとしているのか

 

 

 

 

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人の人生は長いので、往々にして目線は変わることがある

 

 

それも当たり前のことと知る

 

 

雇用環境が厳しくなればなるほど、「働く」こと、そして「生きる」ことの意味を考えてみる

 

 

たとえ、いっとき回り道をしたとしても、ゴールが見えていれば、必ずいつかはたどり着ける

 

 

そう思うのですが、いかがでしょうか?