日本では、さきおくり(先送り)の例にいとまがありません
先送りをするというのは、何らかの課題に直面し判断を迫られた時点で、(少なくとも今は)「何もしない」という判断をすることに他なりません
先送り
物事の処理・解決などを、先に延ばすこと。(Weblio辞書)
意図的に案件を側に寝かせ、時間的な醸成を図る。そんな場合もあるかも知れません。
しかし、日本人が選択する「さきおくり」の本質は、おそらくそういうことではありません
日本人や日本社会が先送りしてきた最も大きな理由は、判断するエネルギーが足りていない。そういうことなのではないでしょうか?
言い換えると、その場で決断することを放棄してきたのです。
今まで日本人は大切なことを先送りにし、結果そのツケを「後の自分」に、あるいは「子や孫の世代」に回す
当然のことながら、ツケは必ず後世に誰かが返済しなければならない負債です
コロナ禍で多くの企業がテレワークを導入しました
社内含め、感染拡大を防止する観点から急速に普及しました。
通勤時間の削減、満員電車を避けられる。
テレワークの利点を、多くの人が知りました。もちろん、問題点もあるでしょう
しかしですが、このテレワーク。議論としては日本で10年以上も、いやインターネットの普及に伴い、もっと以前からなされた議論だったはずなのです
コロナウイルスは図らずも、テレワークを普及させた立役者となったわけですが、なぜこれまでテレワークが採用されなかったのか?
テレワークに慣れた社員が元の通勤形態に戻されるとすれば、社員は何を考えるでしょう?
テレワークが当たり前の社会になれば、
通勤往復で何時間も掛けて満員電車に揺られなければならない明確な理由を、企業に説明してほしくなるのではないでしょうか
当然ですが、通勤時間に対し給料は発生しません。
コロナ禍を通して、今まで考えをめぐらせてこなかったことが、形を現したというところでしょうか
周囲から、「さきおくり」の事例を探すのに不自由はしません
岸田首相が「分配なくして成長なし」と発言し、物議を呼びました
自民党のみならず、与野党ともに「給付」の中身が公約のポイントになったのはご承知の通りです
しかしこれ、外人の売りと言われていますが、この発言を切欠に、日経平均が8日連続で下落することとなったのですね
8日というのは、12年ぶりのことだったのです
順番が分かっていない、外国人投資家はそう思ったのかも知れませんね
我々は耳障りの良い話に飛びつくのが得意な一方で、耳が痛い話になると先送りでその場をごまかしてしまう
返済を後に延ばしているだけなのですけどね。そのようなことの大小の積み重ねが、今日の日本の停滞感につながっているのかも知れませんね
これから、そんな事例が山ほど目に着いてきますよ
先日、株も債券も暴落しましたが、今までのツケを清算するかの如く、ひどい惨状が来るはずですから