Another skyを探す旅

激変する世界を生きるヒント。それは自分の足元にある

コロナと仕事:不測の事態は起こりうる。「ウチの社長、挙動がおかしい…」今からできることを考える

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世界経済は、V字回復が困難

 

僕が言っているのじゃなくて、日経新聞の一面見出しです

日経新聞2020.7.31)

 

新型コロナウイルスが経済に与える影響は、今年の年初に誰もが想像したよりも深刻になりつつあります

 

おそらくですが、日本ではこれからもっと景気後退を実感することになるはずです

 

購買担当者景気指数、PMIでは、国ごとに回復度合いに差が出ており、中国あたりは意外と堅調らしい

PMIだけを見るとASEAN諸国でも、4、5月のどん底をちょっと脱した感が出ているようです

 

しかし、どこまであの中国の数字を信じるかというところもあるし、コロナの第二波いかんで状況は悪い方へ一変します

 

供給体制が持ち直したとしても、中国は需要が伸びないと難しいですね

 

フィリピンなんて、感染者数が急増しているのに、BSP、中央銀行の総裁が、回復基調にあるとか、一体何を言ってるんですかというのもあります

 

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日本でも、

「しばらくしたら、いつも通りに戻るんじゃない?」

非常事態宣言が発表されてからも、そんな意見は根強かった

 

しかし、少なくとも日本ではもはや急回復は無理だと思います

 

僕個人の意見ではありますが、

さらにさらに経済環境は厳しくなります

 

日本だけではなく、世界全体の話として、

 

国際通貨基金IMFは、

1930年代の世界恐慌以来、最悪の不況が来ると予測しています

 

世銀も言ってますね

 

何が、どう厳しくなるのか?

 

 6月の非正規雇用者数は105万人減です

労働環境は厳しさを増しています

 

今日は、例えばですが、中小企業にお勤めの方の目線からストーリーを考えてみたいと思います

 

 

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中小にお勤めの方であれば、社長はじめ経営者一族との距離感も近いでしょう

 

もちろん業種にもよりますが、多くの企業では売上げが3月あたりから急減したでしょう

 

特に、衣・食・泊に関する業種については、非常事態宣言の発動後、まったくといっていいほど商売にならなかった企業も多かった

 

経済が、一時的に心停止してしまったかの状態です

 

麻生さんの言うように、日本人の「民意」が高かったおかげなのか?日本国内ではコロナ感染者数は6月にいったん、減少に向かいます

 

しかしながら、一度止まってしまった客足は、なかなか元に戻らなかったですね

 

飲食店でも、感染防止策として客席の間引きや営業時間の短縮を強いられました

 

アパレル業界にとっても、非常事態が解除された頃には季節が移り変わり、夏物シーズンへと突入しました。

春物はデッドストックでしょうか?

それとも、夏物に混ぜて売りさばけているでしょうか?

 

「泊」つまり、旅行宿泊関連は言うまでもありません

 

JTB、HIS、近ツー、日本旅行など旅行大手各社もそうですが、

ANA、JALはもとより、JR東日本をはじめ鉄道各社も四半期ベースで過去にない赤字を計上しました

 

ホテルなどの宿泊業にいたっては、Gotoトラベルなどといいながら、東京抜きで何をやっても、大きな効果など得られるはずもありません

 

まったく戻らない売上高を、企業の社長はどのように見ているのでしょうか?

 

ここまで書いただけでも、胸が痛くなる思いです

 

 

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しかし、会社にはどういうわけか、思いのほか大金がプールされています

 

そんな会社は多いはず

 

政府が主導した金融緩和策によって、日本政策金融公庫をはじめ、一般の市中銀行からも「かなり簡単」にお金を借りることができました

 

「ちょっと多め」に借り入れを行った会社も多いのではないでしょうか

 

なので、今年の春は思いのほか倒産件数が増えなかったのです

 

というか東京商工リサーチによると、約半世紀ぶりの低水準にまで倒産が減りました

 

とりあえず、金融機関からの融資によって銀行口座にお金をぶち込んだので、日々の支払いは何とか済ませることができています

 

どうなんでしょう、今年いっぱいの資金確保をおこなった会社も結構あるのではないでしょうか

 

しかし、当然ですが、タダでもらえたお金ではありません

 

事業融資なので、返済がともないます

 

当座の現金はなんとかなったものの、社員への給料や支払い家賃など、いわゆる「固定費」は相変わらず発生します

 

持続化給付金、雇用調整助成金や、家賃支援給付金など、申請すれば給付を受けられる制度も確かにあります

しかし、全額を助成してくれるわけでもなく、また助成期間が限られているため、延長でもされない限りはいつか打ち切りになります

 

そして、本業の売上げは相変わらず一向に立たないのです

 

 

 

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どうすれば、落ち込んだ業績を回復させることができるのでしょう?

 

社長の頭には、方策が見えているのでしょうか?

 

それとも、しばらく我慢すれば何とかなる、そんな感じでしょうか?

 

おそらくですが、少なくない企業が、我慢しても、元通りの業況に回復させることはできない

そんなことを考えます

 

僕は思うのですが、

今、どのようなビジネスであっても、絶対に必要不可欠な大前提があります

 

それは、顧客に「安全」を約束することです

 

食事をするにせよ、買い物をするにせよ、旅行に行くにせよ、

 

安全にコミットできないビジネスは、今後かならずこの世から消えます

 

もう、そういう商売は人々から必要とされなくなります

 

世界中の人々が、コロナ感染の恐怖を感じています

 

ワクチンが流通するのにも時間が必要です

 

特効薬も、いまだ開発されていません

 

既存の薬で応用できるか、効果を臨床試験で確認している状況です

 

誰もが、今まで通りの身動きを取れないのです

 

逆にいえば、

 

「安全」の不安に対するソリューションを提供できるビジネスが隆盛することになる

 

そんなことも、考えます

 

 

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いま、企業の社長は何を考えているのでしょうか?

 

とりあえずの資金が用立てできて、安心しているのでしょうか?

 

次に打つ手を考えているでしょうか?

 

市場の変化に対応できない社長は何を考えるでしょうか?

 

手元には、融資で得た大金があります

 

一方で、本業は先行き見通しが立たない

 

社長の息子は、家業を継ぐのでしょうか?

後継者として、会社にいるでしょうか?

 

もしいないとすれば、社長にしてみれば一体誰に引き継いでもらえる会社なのでしょうか?

 

廃業、も頭をよぎっているかもしれません

 

もし仮に、仮にですが

 

万が一、倒産 (計画的なものも含めて) という事態に陥るとしても、経営者はふつう事前に社員に告知したりなどしません

 

ある日突然に、「その日」はやってくるのです

 

ただ、後で思い返すと、あの時の社長は変だったな、ということがあったりするものです

 

中小企業であれば、オーナー一族と社員の距離感も近く、注意深く見ていれば「異変」に気付けるかもしれません

 

給料の遅配などを社長から打診されたら、かなり要注意です

 

そうでなくても、この時期に経営者から危機意識が感じられなければ、危険です

 

 

 

もし、勤めている会社が倒産したら、どのように動けば良いのでしょう

 

今日は、縁起でもない話になりましたが、

 

しかし、これが冗談ではなくなる日が遠からず来る

 

そんな気がしてなりません

 

手元に資金はあるものの、収支は回復せず、固定費をたれ流すだけ

 

挽回策を考える経営者もいれば、リストラ策を考える人もいるでしょう

 

臨時、派遣社員だけでなく正社員の雇用維持も、今後難しくなります

 

倒産以前に、雇用も不安定化します

 

 

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打てる策がないとあきらめる経営者が増えても、不思議ではありません

 

そんな時のために、会社で働く一人ひとりが自衛策を考えてみる

 

考えられることはないでしょうかね?

 

当面の生活費をどうするか、

雇用保険の手続きはどうするか、

家計の収支に今から見直せるところがないか、とか

自分の職業キャリアをたな卸ししてみる、

とか

 

 

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何を暗い話をしているんだ、と怒られるかもしれないのですが、

 

「働く側の立場」として、

ここは、今のうちに一度、「最悪」を想定しておく

 

これをやっておくことで、初動が違ってくる

 

こんなことを考えざるを得ない

 

景気の後退が、これから本格的に実感をともなうことになる

その前に、

 

賛否があるにせよ、ここまで読んで何かを思っていただけたなら幸いです

 

大変に厳しい世界が来ることだけは、間違いないように思います