Another skyを探す旅

激変する世界を生きるヒント。それは自分の足元にある

意思決定ができない、遅い。


日本は、日本企業はとにかく意思決定が遅い。
これは海外で良く言われることですし、実際海外で痛感した人もいるでしょう。

自分も海外駐在していた頃、住まい選びには苦労しました。

気に入ったコンドミニアムを見つけてもすぐに契約できず、日本の本社に「稟議」を出さなければならなかったのです。

その数日の間に、即金で契約すると申し出た韓国人に優先権を奪われるということも経験しました。


今日においても状況はさして変わっていないでしょう。
企業だけではなく、日本の政府自体がそうです。

世論を敵にしては、解散時期すら決められません。

今の岸田政権には、解散に踏み切る力などないでしょう。

過度に世論を気にした政治。目に見えない、誰だか分からないがはっきりと聞こえる「国民の声」に忖度して、何も決められません。

特に岸田首相は、「聴く力」が長所らしいのですが、人の声を聴きすぎると自分が身動きできなくなります。

稟議も然り。
経費ひとつとっても、何人もの目を通してやっと承認される。
とにかく時間が掛かるのです。
挙げ句の果てに、ボツ案件になることもよくあります。


海外どこと問わず、日本ほどに人の言うことを聴く国もないでしょう。

それが良いとも悪いとも限りません。

繁栄の裏には、反対した多くの人々の命が踏み付けられているというのもよくある話です。

ここが、日本と世界で対称性が際立つところなのですね。

しかしかつての日本も、ここまで人の話を聴く国でもなかったようです。


少なくとも戦前の日本は、戦争に反対する者を国家権力によって弾圧しました。

戦後に成立した日本国憲法は、こうした軍国主義の反省にもとづいており、国民の声を制限することに対して抑制されています。

コロナ対策を見ても分かりましたね。

日本はコロナの3年間を、ついに「お願い」だけで乗り切ってしまった。

良くも悪くも、我々はお願いだけで話を片付けてしまう、世界的にもかなり異質な国に生きている。

コロナが表立ってだけでも落ち着きつつある今日、
これからますます、この異質性が際立ってくることでしょうね。