日本経済新聞の一面で特集記事が組まれています
「コロナと世界」というタイトルです
(以下、記事参考・引用)
4月9日は、フランスの経済学者として著名な、ジャック・アタリ氏がコメントを寄せていました
続く10日は、ノーベル生理学・医学賞の受賞者としても知られる、京都大学の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授の記事でした
コロナウイルスに端を発する世界の混乱について、2人の天才が示す解決策は極めてシンプルです
ジャック・アタリ氏の指摘
アタリ氏は述べています
この問題は、ワクチンや治療薬があれば解決するし、なければ解決しない
それ次第で、この危機は3ヶ月で解決するかもしれないし、3年続くかも知れない
そんなの、当たり前だと思うかもしれません
しかし、氏が指摘するのは、
新薬開発に投入されている資金が、ばかげていると言わざるを得ないほど少額だということ
世界経済を立て直すための、最優先事項が新薬開発だと、誰も気付いていないとまで言い切っています
本庶教授の指摘
本庶教授は指摘しています
人々がパニックになるのは、死ぬからだ
死亡者を少なくするためには、治療薬がいる
たったひとつのウイルスが出てきて、世の中がひっくり返る
なんで、と考える人はたくさんいるだろうが、これが現実だ
混乱する世界
今、世界は混乱しています
様々な情報が錯綜している
国家間で犯人のなすり合いが起こっている
コロナの症状をめぐっては個々人でばらつきがあり、人々はさらに混乱し、大きな不安を感じています
両氏が指摘するように、この混乱の原因が、死に関わるウイルスである以上は、
人類は治療薬の開発に、持てるリソースを投入しなくてはならない
そんなシンプルなことが、現時点ではまだ十分になされていると言えない
取材のタイミングと記事になるまでには、もしかしたら時間差があるかもしれない
少なくとも今後、開発は急ピッチで進むと信じますが、
それでもいつ、特効薬が完成するは見通しが立ちません
新薬が実用化されるまで、基礎研究から治験を経て承認を得るのに、海外では3から5年、日本では10年程度掛かるといわれています
画期的な治療薬については「先駆け審査指定制度」という優先制度もあるようですが、それは承認審査の期間が12ヶ月から6ヶ月に短縮される程度
とはいえ、新薬の実用化については、有効性はもとより副作用リスク、供給能力など検証が必要です。そこにジレンマがあるのでしょう
エボラの既存薬として知られるギリアド社のレムデシビルや、富士フィルム富山化学のアビガンなどを転用することで、急場をしのぐ試みが進められています
いつになったら平穏な日常が戻ってくるのか、誰も答えを見出せていないのが現実なのです