Another skyを探す旅

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華僑と財閥。 「権威主義」をめぐるパワーバランス②

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目下戦争を起こしているロシアは言うに及ばずですが、

 

ここ数年とくに、中国が、香港の国家安全維持法といい、台湾問題といい、日本の尖閣といい、なにかと世界から「問題視」されます

 

特に台湾、そして尖閣諸島の問題は、一歩間違うと日本を当事者国とする戦争にも繋がりかねない危険を孕んでいます

 

 

その中国について、周囲を取り巻く環境から考えてみようと思いました

 


 

今日は、その2回目になります

 

中国の周辺国であり、南シナ海の領土問題、特にスカボロー礁をめぐるあつれきで世界的に注目されているフィリピンを起点に考えてみます

 

 

 

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ドゥテルテ大統領が、フィリピンの最大規模の放送局であるABS-CBNを閉鎖に追い込んだのは前述しました

 

ABS-CBNを持っているのは、フィリピンのなかでも有力財閥の一角であるロペス財閥です

 

フィリピンには大小多くの富裕層一族が存在し、ひとくくりに「財閥」といっても線引きがあるかと聞かれると難しい

 

ただし、ロペス一族については、1850年頃を起源とする、フィリピンでは最も歴史のある財閥であることに異論はないはずです

 

先日の①の記事で、

アキノ前大統領が、ロペス財閥の総帥であるマヌエル・ロペス氏に駐日特命全権大使を委任したことにふれました

 

アキノ大統領にしてみれば、日本はフィリピンにとって最も重要な支援国です

日本の大使というのは、同国にとって非常に高いステータスになります

 

ロペス氏にとっても、実業家が本業ですから、東京に張り付いて政治の世界に関わるというのは、大変なことです

 

そこを考えただけでも、アキノ大統領とロペス氏の関係がうかがえます

 

 

ロペス財閥は、確かに歴史ある財閥なのですが、フィリピンで「歴史ある」というだけで、いろんなことが推測できます

 

ロペス財閥は、スパニッシュ系の系譜を持っています。つまり、フィリピンで歴史があるということは、かつての宗主国であるスペインと深く関わるということでもあります

 

フィリピンは、かつてスペインの植民地だった国です

 

そもそも、「フィリピン」という国名からして、スペインの皇太子「フェリペ」に由来するといわれています

 

余談になりますが、フィリピンのマカティ市に「アヤラ・ミュージアム」という博物館があります。フィリピンを訪れた方であれば、知っているかもしれません

 

このミュージアムの展示物を見学すると、あることに気付きます

フィリピンの「歴史」が、16世紀からスタートしているのです

つまり、スペインの植民地となってからが、極端な話ですが、フィリピンの歴史のスタートとして認識されている

 

それ以前の時代は、原住民の時代、なのですね

 

アヤラ・ミュージアムの「アヤラ」も、最有力財閥の一角です

 

アヤラ財閥は、不動産に強みを持つと言われ、他にもBPIという銀行や、水道事業、グローブ・テレコムという携帯通信事業など、インフラをおさえています

 

アヤラ財閥も、スペイン系財閥ですね

 

 

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スペイン系財閥と別に「分類」されるのが、中華系の財閥です

 

いわゆる「華僑」です

 

華僑の代表格といってもいいのが、シー財閥です

 

BDOというフィリピン最大の銀行や5位のチャイナバンキング、不動産、デパートやスーパーなどの小売など、最大級のコングロマリットを形成しています

 

この財閥の創業者が、伝説的な逸話を持つ人なのですが、ヘンリー・シーという、もう亡くなりましたが、フィリピンで一番の大金持ちでした

 

この人物が、靴屋の丁稚から財を築いたのが、シー財閥です

 

フィリピンで、SMデパートといえば、知らない人はいません

SMというのは、シュー・マートつまり靴屋を意味します

 

「モール・オブ・アジア」や、「SMメガ・モール」など、とにかくフィリピンには巨大ショッピングモールがいくつもあります

 

ほかにも、ゴコンウェイや、GT(ティー財閥)、コンスンジ、サンミゲルの創始者コファンコなど、中華系については枚挙にいとまがありません

 

スパニッシュとは対照的に、多くが新興であり、しかしながら商才によって拡大を続けています

 

 

 

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ドゥテルテの話に戻りますが、

ドゥテルテという人物は、ミンダナオのダバオ市長を長年務めた人です

 

ダバオというのは、フィリピンでは3番目に大きな規模を持つ都市ではあるのですが、といっても中央のマニラからは距離も遠い

 

フィリピンの中央政界や財界に人脈を築いてきたという人物ではありません

 

しかし意外なのが、ドゥテルテには「中華」の血が流れているということです

 

あまり取り上げられることがないのですが、実はドゥテルテは、中国語を理解できるらしい

 

話すことはできないまでも、言っていることは何となく理解できる

そういうレベルらしいのです

 

本当に、フィリピンというのは、こういう人が多いのですよ

 

そもそも、タガログ語と英語はみんな話せますから、それに加えていくつかの言語を知っているという人は、少なくない

 

 

ドゥテルテと華僑についての考察は、③で

ぜひ、引き続きご覧いただければ

 

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