海外不動産は今、買いなのか?
つまり、投資として妙味があるのか。妙味がある場合、タイミングとして今が適切なのか?
今日は、自分にとって記録の意味も含め、書いてみることにします
今回は、フィリピン不動産を対象に調べてみます
まず押さえなければならないのは、
・外国人(フィリピン人にとっての外国人。日本人も含む)は、フィリピン本土の土地を所有することができない。
ということです
これは、外資に対する規制として定められています
なので、一戸建てを土地、建物として所有することができません。
東南アジアなど、外国ではこのようなレギュレーションがしばしば見られます
ということになると、外国人が所有できるのは区分のコンドミニアム
フィリピンのマニラでは、最近、億ションの新築が増えていました。
例えば、トランプタワー。ご存じの通り、前アメリカ大統領のトランプ氏一家のオーナー企業の物件です
また、与沢翼さんが購入したハイアットなど、日本の高級マンションも及ばないコンドミニアムが建っています
最上級のコンドに限らず、新築の物件が増えているのは、フィリピンの経済発展が背景にあります
所得格差が激しい同国では、マニラ首都圏のコンドミニアムを所有し、あるいは賃貸で住めるフィリピン人は多くありません
なので、テナント(賃借人)さんは、日本人含む外国人の駐在員などか、一部の富裕層に限定されます
しかしながら、4~5年前であれば、家賃収入のインカムのみならず、価格高騰の波に乗ってキャピタルゲインを狙えたのが、フィリピン不動産なのです
5年前に実勢価格900万円程度のお手頃なコンドが、昨年には1,200万円程度に値上がりしていました
そこで、国内でコロナの影響が相当に大きいフィリピンの不動産が、現在どうなっているのか調べたいと思ったわけです
今回、フィリピン不動産では、日本人としてオーソリティーといっても間違いない方から動向を教えていただけました
前述のとおり、フィリピンでは今も、コロナウイルスが猛威を奮っています
そのような状況下で、多くの海外駐在員は日本はじめ、母国に一時帰国しています
したがって、高級コンドの受給は、需要が大きく減っている状況のようです
空室がだぶついていることが想像されます
現地のフィリピン人に手が出せない価格帯のコンドなら、なおさらでしょう
多くのフィリピン人が、所得の減少や失業に苦しんでいます。アメリカのように充実した失業給付も期待できません
そういった事情もあり、なかなか不動産でインカムを確保するのは、現状では簡単ではない状況のようです
インカムが期待できないとなると、コンドとして物件そのものの価格が下がるのではないか?
投資妙味が薄れる以上、投資物件として需給のバランスが崩れてもおかしくない
そう考えたのですが、実はそうでもないらしい
物件の売買となると、資本を持つ中国勢や華僑(中華系フィリピン人)が触手を伸ばす。なので、大きな値崩れが起こっていない
そういう状況らしい
前述の、5年前900万円のリトル東京近くのコンドなのですが、1,200万円~1,300万円まで上昇し、現在は900万円まで下がっている
ただし、物件そのものの価値を踏まえると、決して割安という水準ではなく、むしろ適正価格に戻ったということらしい
海外不動産に投資するにあたって、素朴な疑問というか、しかしかなり大きな問題と考えるのが、現地通貨から日本円への「円転」が可能なのかということです
フィリピンもそうなのですが、得てして現地通貨というのは、外貨に両替しにくいものなのです
日本円も同様です
なので、個人だけではなく、企業であってもよく円転をめぐるトラブルが起こるのです
その点についても聞いてみましたが、円転をする方法はいくつかあるものの、可能であるようです
ただし、物件の売却時には、売却益だけではなく、不動産の売価に対して課税がされるようなので、そこは日本と異なり不利な点です
国内不動産以上にトラブルが多く、近づいてはいけないと言われることすらある海外不動産
しかし、トラブルの多くは、現地の商慣習や国民性などに関する理解不足の面も大きいと考えています
ポートフォリオの組み直しに際して、海外不動産について少し調査をしてみたのですが、
現状では、正直言って、大きな投資妙味があるとは言えない
そのように考えました
理由は、
・コロナ禍の影響で、インカムが期待しにくい。
・キャピタルについても、現状の相場観は適正価格に戻った程度。
加えて、
・現時点で、コロナの影響で渡航制限されている。ビザなしではフィリピンに入国できない。
つまり、ノールックで物件を買う度胸がない笑
しかし、今後需給のバランスが大きく崩れ、過去の日本のように不動産バブル崩壊などといった事態になれば、そこに妙味が生じる可能性はあると感じます
「不動産」というだけあって、株式や債券のように流動性が高くないのが弱点です。であるが故に、投資家の「投げ売り」が起こることにでもなれば(あるかもと思っている)、ていねいに調査をするつもりです