これからの時代を生きるにあたっては、人生の先輩たちのアドバイスが、必ずしも参考にならないかもしれません
というか、
むしろ、参考にし過ぎたら、道を踏み誤るかもしれない、とすら思います
少なくとも、
個人的に、僕は参考にしない
一体、何を言ってるんだ?
と、叱られるかもしれません
しかし今、僕などがあえて言うまでもなく、世界がすごいスピードで激変しています
かつて経済的に、世界の頂点に迫った日本が、いまや凋落の一途をたどっている
過去の日本で通用していた成功法則が、いまや通用しなくなりつつあるのを感じる
そんな人は少なくないでしょう
それはなにも国家の話だけではなく、一個人であっても同じこと
これまでの大前提、ゲームのルールが崩壊しているのだから、当たり前です
我々は、新しいルールにのっとって生きていかなくてはならない
では、いったい何のルールが崩壊したのか?
誰にも大きく関わってくるのが、人間の寿命が長くなっていることです
今、日本人の平均寿命が男性で81.25歳、女性で87.32歳といわれています
ちなみに、20年前(2000年)だと男性78.32歳、女性で84.60歳でした
これからも平均寿命はさらに伸び、現代の子どもたちが老年期を迎える時代には、100歳を越えるだろうともいわれています
スポーツでもそうですが、例えばサッカーで90分で戦うのと、100分で戦うのとでは戦略、戦術が異なるのと同じです
単純に、時間軸だけをとらえても、
ルールが異なる試合をしている人たちのアドバイスを聞いても、盲目的に鵜呑みにはできないでしょう
もうひとつ、
サラリーマンの方を考えます
いま、70歳定年が議論されています。法制化も進み、2021年には努力義務になります
今さら言うまでもなく、年金の支給年齢繰り下げの、延長上の話でもあります
国にとってみれば、年金の支給年齢をどんどん後ろ倒しにしていけば、年金財政の破綻を回避できるのですから
困るのは、年金受給者の予備軍つまり、まだ若い国民ですね
しかし、この退職制度
かつて1970年代半ば頃までは、55歳定年がふつうだったのですよ
これからの人たちは、じつに15年以上長く働かなければならない
仮にですが、
大学卒の新卒採用で入社した会社に、48年間働き続けるとか
ありえますかね、そんなこと?
少なくとも、
ルールの違うフィールドでやってきた「人生の先輩」のやり方をマネするだけで、この先我々がやっていけるとは、僕には到底思えないのですがね
人生が100年だという人が、80年で死んでしまう人のライフプランをそのままパクって生きるとすると、後半戦で破綻。
つまり、結局のところ「負け組」で終わる可能性が高いでしょうね
ここまでの議論、何が「破綻」で、なにが「負け組」なのか?
それは、結局のところ「お金」なのです。身もフタもない話ですが
経済的に破綻して、経済的に負け組になるということです
若い人が「老後」を考えている、などというと、
若いのに夢がない、とか、そんなネガティブなお叱りを受けそうですが、
コトはそう単純な話ではない、人生の後半戦に関わる話です
アディショナルタイムだけの話ではなく、後半のゲームメイクの話です
「お金」の話ということは、言い換えると、自分の「市場価値」、いかに世の中に「付加価値」を提供できるかという話にもなりますね
多くの日本人が長年、いわば「タブー視」してきた、「投資」にも目を向けざるを得ないでしょう
これまでと比べると、これから生きようとする人が働く期間は、間違いなく増えるでしょう
時代が大きく変わろうとしていたとき、コロナウイルスの感染が猛威をふるいました
コロナが時代を変えた、という面もこれから一層はっきりするでしょうが、
むしろ、時代の変化をコロナウイルスが顕在化させたということのほうが多いのかもしれません
これから生きるにあたっては、
自分が日常生活のなかで、肌感で感じる、「常識」に対する「ちょっとした違和感」を大切にすべきだろうと感じます
日常、当たり前になっている慣習のなかに、どうしてそうなるのか?という違和感を感じることが少なからずあるはずです
今までは良かったかもしれない
けど本当に、そんなやり方でいいのか?
そういった、ささいな感覚を大切にする
それは、これからの未来を考えているからこそ感じることができる感性かもしれません
もちろん、
これからを生きる人間が、歴史からなにか大切なことを得る
それを否定しているわけではありません
ただ、今日当たり前だったことが、明日の当たり前とは限らない
その意識がないと、ゲームの組み立てに失敗する
そんな気がしてならないということです