世界経済が大きく変動しています
ウイルス感染症をきっかけに、既存の社会経済システムがうまく機能しなくなっている
日本社会も、なにか大きな潮流に飲み込まれている感じがします
今日は、モルガン銀行(現JPモルガン)で東京支店長だった経歴を持ち、参議院議員も努めた藤巻健史氏の新刊「日本・破綻寸前」を踏まえて、今後の日本社会の動向について、とりわけ経済面から考えてみます
ハイパー・インフレの道筋は、実は見えている
藤巻氏は、かねてからハイパー・インフレについて言及しています
長年のアベノミクス経済下にあって、氏の意見が主流になることは、これまでありませんでした
どちらかといえば、「逆張り」的な立ち居地でした
日本銀行は、異次元緩和の名のもとに、大量の紙幣を増刷し、市場に供給してきました
最近ニュースで世界同時株安が伝えられますが、今現在、暴落する日本株を買い支えているのが日本銀行です
日本銀行が買い支えているETFの損益分岐点は、日経平均19,500円といわれています
つまり、損益分岐点とらえれば、日銀は含み損を抱える可能性もあるわけです
事実、3月にはそういう局面もありました
日本銀行は株式会社ではなく認可法人なのですが、実はJASDAQに上場しています
政府とは独立した法人となっています
ふつうの会社でもそうですが、時価に引き直すと債務超過におちいることになります
日本円というのは、いうまでもなく日本銀行券なので、債務超過を抱えた発行主体の通貨は、いちじるしく信認を落とすことになりかねません
2月末からの暴落でも、日本円が買われる場面がありましたが、現在、日本円は海外投資家から安全資産、逃避資産とみなされているようです
しかし、海外投資家が、ちょっと待て?日銀って債務超過じゃないか?ということになると、そもそも円の価値って何だ?ということにつながる
書いてて、こんな簡単に説明できるわけもないと思うのですが、少なくとも今、日本の経済システムは大きな転換を迫られている。それは事実と感じます
では、これからどうするか?
藤巻氏は、ドル資産の保有など、いくつかの対策を紹介しています
例えば、米ドルMMFを持つ
また、住宅ローンを長期固定金利に変えておく(ハイパー・インフレ時には金利が急上昇する)
金を持っておくのも悪くない
など
僕として、本著から考えたいのは、
いま、あたりまえと思っていることが、この先、あたりまえでなくなるかもしれない
これを知るということです
現在の「常識」に、ノーガードで100%軸足を定めてしまうと、いざというときに全く対応できない
既存の社会システムが大きく揺れているなか、
もしかしたら、「まさか」ということが起こりえるかも
そんなことを少し、頭の片隅にとどめておく
多くの人にとって、
最悪の事態をあらかじめ想定しておく
こんなささいなことが、いざというときの初動に大きく差をつけることになると思うのです