Another skyを探す旅

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もはや戦争気分? アメリカの「戻れない暗部」と「もうひとつの真実」を整理する

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アメリカ大統領選挙が混迷を深めていますね

ただ、時間が経過するにつれ、バイデン優勢の報が増えています(11月6日時点)

 

選挙戦の序盤から、民主党のバイデン有利といわれました

しかし、開票してみれば、一時はトランプ逆転かといわれ、

終盤でミシガン州の「いきなり12万5千票」などと物議を醸しながらも、バイデンが結局勝つのか?

 

しかし、ことは簡単ではなく、トランプは法廷闘争に持ち込もうとしています

最高裁には、保守派の判事がそろっています。つい先日、異例のスピードでバレット判事が上院の承認を得たことをニュースで見た人もいるでしょう

 

もっといえば、大統領を最終決定するのは最高裁ではなく、あくまで不正の有無を判断するのが仕事です

 

最高裁の判断を踏まえ、議論は下院に移ります

 

下院の過半数は、民主党が保持しているのですが、ことは単純ではなく、州ごとの多数派政党が代表として選出選挙に出ることになっている

 

仕組みからすると、共和党のほうが選挙人数が上回る

 

これから、まだまだ「そんな展開、ありか?」ということが起こるかも知れない。そう感じます

 

それにしても、アメリカでは、多くの店舗の窓に板が張られ、暴動に備えたといわれています。

実際に抗議行動、暴力沙汰は、既に起こっています

 

ABC、CBSNBC

FOXを除くアメリカの主要メディアが、バイデン有利を連日報道したにも関わらず、フタを開けてみると結構いい勝負に持ち込んだトランプ。

彼には、少なからぬ熱狂的な支持者がいるということです

 

 

彼らは何をトランプに望むのか?トランプは、彼らにどう応えようとしたか?

 

なぜ、ここまでの混乱が起こるのか?

 

今日は、

日本人には、なかなか分かりにくい「アメリカの暗部」を、整理してみたいと思います

 

バイデン寄りでも、トランプ寄りでもなく、バイアスを極力避けてまとめてみたいと思います

 

ここからは、かなりの「トンデモ話」になるかと思いますが、この話題で書く以上は、避けることができません。誤解を恐れず書いてみます

 

 

 

 

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そもそもなのですが、4年前にさかのぼると、先の大統領選ではヒラリー・クリントンが圧倒的有利で選挙戦をリードしていた(ように見えました)

 

序盤のトランプは「当て馬」、成り金ではあったものの、所詮は三流のテレビタレント的な扱いしかされていませんでした

 

しかし、結果はトランプの勝利。

なぜ、トランプはヒラリーに勝てたのか?

そして、有権者はなぜ彼を支持したのでしょうか?

 

 

そこを考えるうえで、アメリカにおける構造的な問題である、

「中間所得層の退廃」

を無視することはできません

 

 

2008年のリーマン・ショック以降、アメリカは景気回復を継続しました。

株価は上昇を続けました。

資産バブルです

そんななか、GAFAMは巨大IT企業群に成長拡大しました

 

「富める者」と「富まざる者」の格差は拡大しました。具体的には、中間層が貧困クラスに引きずり落ちる事象となってあらわれました

 

中間層を形成していたのは、主にアメリカの白人であり、彼らの多くは下がり続ける生活水準に不満を持っていました

 

一方で、全土で増える移民と、IT技術の進歩が雇用を奪う

 

中間層の幸せな生活こそが、アメリカの豊かさ、強さの象徴だったはず

それが、崩れ始めた

 

何やら、日本と似ていますね…

 

日米に限らず、中間層の退廃は先進国共通の悩みでもあるのです

 

しかし、もうその流れは止められません

 

 

ところで、

「Qアノン」

を聞いたことはあるでしょうか?

(ここから、トンデモ話に入ります)

 

 

もともとQというのはSNSに端を発し、当初はトンデモ扱いだったのですが、しかしそのトンデモが、よく的中した

 

どう考えても、政権の中枢にでも属していないと知り得ない予想を、次々と的中させた

 

そんなことから、ネットユーザーのなかで注目されていったのです

 

 

世界の政財界を牛耳っている、「闇の勢力」がいる。それがQアノンの主張です

 

 

「闇の勢力」とは誰のことか?

例えば、ロスチャイルド一族であり、ディープステートと呼ばれる、アンコントローラブルな一部の政府機関やメディアだったり、そういう、表舞台には立たないが、しかし世界を動かしている勢力がいるというのが、主張なのです

 

 

そして、「闇の勢力」のフロントとして出て来るのが、米民主党であり、バイデンや、オバマや、クリントン夫妻であり。

またABCなどの主要メディアや、投資家ジョージ・ソロスなどであると

 

「闇の勢力」が目指すのは、グローバリズムによる世界支配。

グローバリズムは、悪でしかない

グローバリズムで恩恵を受けているのは、たとえば中国であり、ファーウェイ

 

当然、排除すべき対象なのです

 

アメリカが進む道は、反グローバリズム

 

バイデンや息子のハンターが中国企業と癒着しているという格好のネタを、徹底的に叩く

 

 

グローバリズムは、格差の拡大を増幅する。

彼らが目指すのは、ただひとつ「強いアメリカ」

 

それは、例えば温暖化の国際的枠組みであるパリ協定からの離脱や、

環太平洋パートナーシップ、TPPからの離脱となって具体化します

各国間ネットでの決め事を次々と否定する

 

一方で、経済貿易問題は二国間の協議に持ち込む。

ビジネスマンとして「ディール」で豪腕を振るう

 

それが、トランプのやり方でした

 

トランプ自身が個人的に、どこまでQを信じているか、また利用したかは分かりませんが、

しかしアメリカの暗部に苦しむ人々を政治的に抱き込むのに、

Qがちょうど都合の良い媒体になったのは事実です

 

沈んでゆく中間層の支持を掴み、(それが真実か虚偽かなど無関係に)「仮想敵」に向かって敵愾心を抱かせる

 

 

 

 

 

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ここまで読むと、ほとんどオカルトの世界かと感じるでしょう。

悪ふざけ

 

しかし、そんなトンデモが、今回の大統領選挙の「笑えない争点」なのです

 

ロスチャイルド、ディープステート、ジョージ・ソロス...

 

なにが真偽か知りません。

しかし、大きな不満と、深い怨嗟を持つ中間層を支持基盤に持つトランプの支持層と、

アメリカの良識」を主張する民主党バイデンの支持層の対立は、アメリカを分断する可能性を孕むとまでいわれています

 

 

アメリカの大統領選挙というのは、実は最終的に、どちらかの「勝利宣言」と、他方の「敗北宣言」によって決着するのです

 

お互いが敗北を認めないままに時間だけが過ぎれば、

いま日本にいる我々が、想像不可能な展開が起こるかもしれない

 

それが、これからのアメリカです。

 

支離滅裂なことを、と思われるかも知れませんが、そんな「おふざけ」が本気の分断と内戦を起こしかねない。

 

今、アメリカでは拳銃が飛ぶように売れています

 

 

日本は、アメリカを唯一の同盟国とする国です。

大統領選の行方は、無関係で済む話にはなりません

 

トンデモ話で笑って無事終われば良し。

しかし実際は、そうならないかも知れません

 

さまざまな可能性と危険性について情報を得て、自分なりに整理しておくことは、日本にいる我々にとってもムダではないはずなのです